映画「ローレライ」(130min)★★★☆

費やしたお金と時間には十分見合う面白さ。
樋口監督の特撮に話題が集中しているが、やっぱり役所広司につきる。
どんなシーンも、どんなセリフも役所が演じることで絵になってしまう。キャラクターの造形が苦手そうな監督は相当助けられている。
CGは十分合格点なのだろうが、どうにもきれい過ぎる。
だた、その分実写では目に出来ないようなシーンが楽しめるが。
2時間に及ぶ大作だが、時間ほどストーリーに厚みが感じられないのはなぜだろう。
硬派で攻めるのもいいが、その硬派さを引き立たせるようなやわらかいシーンも欲しかった。
なにせ少女を乗せることで、潜水艦映画独特の男の世界を踏襲、利用することをあきらめたのだから。泣きのシーンは妙な衒いが無い分よかった。
それにしても、堤の自殺は解せない。妻夫木は、よくがんばっている。気合が入るところでやや空回りするところもあったが、役所相手で十分健闘している。